危機に備えて絶滅を回避したノアの方舟
ノアの方舟とは
ノアの方舟は旧約聖書の創世記に出てくる舟です。人類の堕落に怒った神が
大洪水を引き起こしました。その時、神の指示に従ってノアが作った大きな方舟
がノアの方舟です。家族とずべての動物の雄雌一対づつを引き連れて舟に乗り、
人類や動物は絶滅を免れたのです。
現代のノアの方舟
現代のノアの方舟とも呼べる存在がノルウェーのスヴァールバル諸島に存在します。
そこには、現在100万種以上の種子が世界中から収容されています。
もちろん日本からの種子も収容しています。
それがスヴァールバル世界種子貯蔵庫なのです。
スヴァールバル世界種子貯蔵庫:人類の未来への希望の貯蔵庫
どこにあるの?
この貯蔵庫は地下にあり、氷河で覆われた山の中に建設されています。
その特異な場所は、地球上の最も過酷な気候条件の一つであるため、
種子を長期間保存するために最適な環境を提供しています。
世界中の食糧安全保障における重要な役割を果たしているスヴァールバル世界種子貯蔵庫は
私たちの未来に対する希望を保護するために設立されたものであり、
世界中から集められた種子の宝庫です。
目的は?
この貯蔵庫の目的は、地球上の植物の多様性を保護し、
今後予想される様々な大規模気候変動や大災害、病気の蔓延、
核戦争などに備えて、農作物のの損失を防ぐことです。
貯蔵庫には、世界中の植物種子のバックアップが保存されています。
現在、約100万種類以上の種子が収容され、その数は今も増え続けています。
スヴァールバル世界種子貯蔵庫は、国際連合食糧農業機関(FAO)と
ノルウェー政府によって管理されています。
貯蔵庫には、様々な国や組織から提供された種子が保存されており、
それぞれの提供元が所有権を保持しています。
これにより、種子の保存と利用に関する国際的な協力が実現しています。
どうやって管理しているの?
種子は冷凍保存され、耐久性を保つために低温で保管されます。
貯蔵庫の中は恒温であり、地下氷河の存在により、外部の気温変化からほぼ影響を受けません。
これによって、種子は数十年以上もの間、その特性や発芽能力を維持することができます。
貯蔵庫の運営は、専門の管理チームによって行われています。
彼らは定期的に貯蔵庫内の種子の状態を監視し、必要なケアや保守作業を行います。
また、貯蔵庫はセキュリティにも非常に厳重であり、24時間体制で監視されています。
本当に必要?
スヴァールバル世界種子貯蔵庫は、さまざまなシナリオに備えて設計されていますが、
実際にすでに種子を貯蔵庫から取り出し、活用した事例が存在します。
それは内戦です。
シリア内戦によって科学者たちは、希少な種子を貯蔵していた遺伝子バンクを
放棄せざるをえなくなりました。しかし実は、遠く離れた北極圏の
「スヴァールバル世界種子貯蔵庫」へと種子は移されていました。
そして地球温暖化による干ばつをはじめとする作物危機から世界を救うべく、
シリア発の小麦は今また畑で育ち始めています。
まとめ
すでに世界は気候変動、大災害、核の脅威、未知のウィルスなど様々な危機に直面
いています。本当にこの豊かな生活がずっと続けられるのか不安にもなります。
しかしこうして世界には危機に直面した時に頼れる施設も存在しています。
しかし、全ての人類を救済できる規模ではありません。
そこもノアの方舟と通ずるところかもしれません。
一人一人が世界の危機を我が事と捉えて行動することが大切です。
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