ギリシャ沖で移民船転覆 500人超死亡も
北アフリカのリビアからイタリアを目指していた
ギリシャ国営放送ERTは当局の初期情報として、
船はリビア東部トブルクから出航したと明らかにしました。
船は全長30メートルの漁船で400人〜700人超が乗っていたとの情報です。
104人が救助され、現在も救助活動が続いています。
死の地中海ルート
北アフリカから地中海を渡り、2022年のヨーロッパに入る移民の数は
2021年比で50%増加、今年も増える傾向にあります。
しかし地中海を渡るルートは「死の地中海ルート」と呼ばれ、
2023年1月から3月だけですでに441人死亡しています。
そして今回の事故で数百人は死者が出てしまいます。
必死に工面した数万円
ヨーロッパに渡るために必要なお金は5万円〜15万円程度だと言われています。
そんな大金を用意するのに、どれだけの我慢と時間が必要だったでしよう。
しかし、ブローカーは移民を船に乗せれば乗せるだけお金になるため、
船がパンパンになるまで移民を押し込め、水や食料も足りない不衛生な中
何日か過ごすそうです。
現に船の中で息絶えてしまう人も出ています。
無事到着後の悲惨な現実が待つ移民
難民認定の壁
無事に地中海を渡れるたら
下船後まずは全員が「受け入れ施設」に入れられますが、
長期にわたりそこで過ごすことになる人もいます。
難民認定の申請手続きが始まるが、審査に数カ月から2年はかかる長い道のりです。
それぞれの置かれた状況によって大きく異なるものの、
イタリア内務省の2020年の集計では、難民認定や保護が与えられた割合は全体の2割ほど。
家族と合流できない人もいます。送還される人もいます。
その後の生活
運よく欧州に留まれたとしても、頼る人もなく言葉も通じない中
一人で暮らしていくことがどれだけ大変か。
定職につけず、路上で寝泊まりする難民も数多く存在します。
受け入れる側の苦悩
イタリア政府は2023年4月に移民が増え過ぎて緊急事態宣言を出しています。
2023年に入り4月11日までに地中海を渡りイタリアに入る移民の数が
3万1千人以上で去年の同じ時期と比べて4倍に達します。
移民施設の過密状態の解消と強制送還の対策費用に
7億3千万円を拠出するとしました。
イタリアもコロナ禍での経済低迷や、ウクライナ問題での燃料費高騰など
自国での課題に精一杯の中、
アフリカからの大量の移民を受け入れる体力は残っていません。
それでも地中海を渡る理由
移民たちも十分承知
粗末な船に危険な航路、難民認定の難しさ、生活の大変さ
それは、移民たちも十分承知しています。
でも、ヨーロッパを目指すその理由は一つです。
今よりはマシだから。
他にはありません。
移民はアフリカの各国やシリア、パキスタンなどアラブの諸国
など、国籍は様々で内戦や食糧難、差別など個別の理由で
リビアに集まり、船に乗ります。
関連ブログ:スーダン内戦を解説
移民の一人は
「今の生活を続けるなら地中海で死んだ方がマシだ。」
と話しています。
日本にいる私たちが想像し難い生活を強いられてきた人たちなのです。
どうすれば移民問題解決
これは私の考えですが、
人はそもそも生まれ育った国やまち、故郷が好きです。
でも、その地に居られない理由があるから移民になるのです。
解決のために真っ先にやることは、その人たちが大好きな故郷で
安心して暮らせる環境を整えることでは無いでしょうか。
自然災害や、内戦を遠くの国のことと捉えず、
世界規模で問題解決にあたる必要があると感じました。