スーダンの内戦をざっくり説明 

社会

中央アフリカの国、スーダンで内戦が激化し日本人が非難したことがニュースになっていますね。

スーダンでなぜ内戦が激化しているのかざっくり説明します。

登場人物は3人

  • オマル・アル=バシール大統領:30年の長期に渡り大統領。独裁。
  • ブルハン:軍のトップ
  • ダガロ:軍の中の組織(準軍事組織のトップ)

バシールは1980年代末から30年以上にわたって権力を握り続けました。

その間ブルハンは軍人として、ダガロは民兵組織のリーダーとして、

それぞれ反体制派の取り締まりや、スーダン南部の分離独立をめぐる内戦

(2011年に南スーダンとして独立)でバシール体制を支えました。

ことの始まり

2019年4月、パンや燃料の値上げに抗議する市民のデモをきっかけに、

軍がクーデターを起こして独裁的なバシール大統領は失脚しました。

バシール失脚後、民主化を求めたデモ隊の指導者と、

これを支援したブルハンなどの軍人がそれぞれ参加する暫定政権が発足しました。

これは将来的な選挙の実施と完全な民政移管を前提にしたものでしたが、

内部分裂が徐々に鮮明になります。

また軍のクーデター勃発。クーデタによって民間人が追い出され、軍人が実権を掌握しました。

ブルハンとダガロの喧嘩

今回の内紛は同じ軍内の利権争いの喧嘩です。

ブルハンとダガロはもともと対立していたわけでもないです。

むしろ、この二人は2019年までこの国を支配したアル・バシール大統領(当時)

を長く支えた点では共通します。

ではなぜ喧嘩しているかというとそこがアフリカの難しいところなのです。

アフリカの難しいところ

歴史的に大国の植民地

アフリカの国境って直線なんですよ。これはイギリスやスペインなどの大国が領地を

バッサリ分割したからなんです。もともと少数部族がたくさんいたアフリカで

そんなことをしたから民族も風土も宗教も違う部族の人たちが

同じ国の中にたくさんいると言うこと。

これでは意見がまとまらず内戦があちらこちらで勃発するわけです。

一人勝ちシステム

アフリカは、石油。ダイヤモンド。レアメタル。など天然資源が豊富な大陸です。

政権をとった部族や宗教が、自分たちの暮らしやすいように施策するのは当然で、

その他の人たちを弾圧してしまいます。

また天然資源の利権も得られるわけですから、

政権を取ると莫大なお金と力が手に入ります。

本当に一人勝ちです。なので常に政権派と反政権派が戦っています。

ブルハンとダガロ

ブルハンとダガロも利権のために戦っているのは間違いないですが、

実はその裏に「民主化させたくない」と言う思惑が一致しているのです。

民主化しようとしたスーダンを内戦によって混乱させ、民主化の歩みを

止めようとしているのです。

つまり、2人ともなるべく内戦を長引かせたいのです。

もともとはオマル・アル=バシール大統領の側近った2人なので

独裁大統領と一緒に甘い汁をチューチュー吸っていたからです。

現にダガロは鉱山を保有する大富豪です。

民主化してしまうともう独り占めできなくなるので

絶対民主化させたくないのでしょう。

まとめ

個人個人の利権争いに巻き込まれるのは、いつも市民です。

難民は増え続けています。

これがスーダンのざっくりとした解説です。

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